当山の開基は満功上人といい、今を去る千二百五十余年前、奈良時代天平五年に深大寺を開創されました。その昔、此の辺りの豪族右近長者の一人娘と恋仲になった福満童子が、二人の恋を許されず、湖水の中の島に隔てられた娘に遭いたい一心に、水神深沙大王を祈り、霊亀となって出現した水神の助けによって島に渡ることができました。神仏の加護をうけた二人の仲は、めでたく父の長者に認められ、後に福満と娘の間に生まれた男児が出家して唐に渡り勉学の末、帰朝して故郷の地に父母の縁を結んでくれた水神深沙大王をお祀りしたのが当山の起りです。福満童子は毘沙門天の應現、長者の娘は吉祥天女として崇められ、殊に開創にまつわる縁起物語のロマンスにあやかりたい若い人々には、深沙大王とともに「縁結びの毘沙門さま」と拝まれています。
●山号/浮岳山
●宗派/天台宗
●所在地/調布市深大寺元町5-15-1
●交通/つつじヶ丘駅より「深大寺」行バス約15分,終点下車又は調布駅から三鷹・吉祥寺行きバス約10分